早朝高血圧とは?原因と対策は?
…と、安心していませんか?
でも、油断は禁物です。近年、うっかり見過ごされがちで危険視されている「仮面高血圧」と呼ばれるものが注目されています。
その1つが朝早くに血圧が上昇しやすくなるという特徴を持つ、「早朝高血圧」です。高血圧を発症している人の半分以上に認められているものでもあり、仮面高血圧として気づかないまま過ごしている人も少なくありません。
そんな早朝高血圧、一体どのような原因で発症するものなのでしょうか?
このページでは、早朝高血圧の原因と対策について、ご紹介していきます。
早朝高血圧のメカニズムと原因について
早朝に血圧が上昇する原因は、自律神経のバランスにあるとされています。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、両者がバランスを取ることで体内のあらゆる器官の働きをサポートしているのです。
このうち副交感神経は就寝中に働き、血圧を安定させます。一方、朝起きた時は体を活発化させるために、交感神経が働くのですが、これによって体全体が緊張状態に陥ると血管の収縮が起こり、血圧が上昇してしまうのです。
こうした自律神経のバランスの乱れによって、寝起きに急激な血圧上昇が起こってしまうようになります。しかし、これは早朝の一時的なものなので、健康診断などでは発覚しにくい厄介なものなのです。
さらに、近年生活習慣病の1つとして危惧されている、メタボリックシンドローム。これが交感神経の働きをより高くしてしまうと言われています。
メタボリックシンドロームは、脂っこい食べ物の食べ過ぎや暴飲暴食、運動不足、ストレスが原因となって、内臓に脂肪が溜まりやすくなる病気です。こうして蓄積された内臓脂肪によって、交感神経の働きを活性化させる物質が分泌されてしまうため、余計に早朝高血圧を発症しやすくなります。
さらに、睡眠時無呼吸症候群を併発する恐れもあり、これによって酸素不足に陥ると余計に血管と心臓に負担をかけるため、血圧上昇に繋がるのです。
早朝高血圧への対策
早朝高血圧を早めに感知し、対策をするためにも家庭で血圧を測る習慣をつけることをオススメします。
自分の本当の状態を知るためにも、次のポイントを意識しておきましょう。
毎日家庭用血圧測定器で血圧を測る習慣を
- 朝の血圧を測る(起床時1時間以内が理想)
- 寝る前の血圧を測る
- 座ってから1〜2分間安静にしたあと測るようにする
- 排尿後であること
- 薬を飲んでいる場合は飲む前であること
- 朝晩、決められた時間に測るようにする
- 上腕部分で測るタイプのものが良い(測る時は心臓と同じ高さの部分に帯をまく)
- 結果は全て記録しておき、定期的に主治医に見せるようにする
自分で測定をしてみて、早朝高血圧の可能性がある場合は適切な対策を行っていくことになります。基本的には、食事療法と運動療法の2つを合わせて生活習慣の改善を行うことになるでしょう。
まず、食事療法では栄養のバランスを考えた食事を勧められます。具体的には次のようなポイントを意識して作ったメニューを中心に、毎日3食規則正しく食べることが必要となるでしょう。
- 1食あたり使える醤油は小さじ1杯、味噌は1日1杯〜2杯程度
- 肉類、魚介類、大豆製品は1食あたり60〜100g
- 果物は1日あたり100g
- 野菜、海藻類、きのこ類は1食あたり合わせて100〜150g
- ご飯など炭水化物は1食あたり130〜180g
また、次の栄養素は血圧をコントロールする上で非常に役立つものです。
積極的に摂り入れて行くと良いでしょう。
- タウリン…血圧を低下させる働きを持つ
- マグネシウム…血管の収縮を抑えることで血圧を上昇しにくくする
- カルシウム…血管の収縮を調節することで、血圧を安定させる
- カリウム…体内に過剰な塩分が溜まらないようにして、体液のバランスを保つ
- 食物繊維…過剰な塩分を体外に排出させる働きを持つ
特に、牡蠣やシジミなど魚介類にはタウリンをはじめとして、ミネラルを豊富に持っており、血圧の調整には非常に良い食品と言えます。
次に運動療法ですが、1日あたり20分程度の運動を毎日続ける習慣をつけましょう。この時行う運動は、筋トレなどの無酸素運動ではなく、ウォーキングやサイクリング、水泳などの有酸素運動がベストです。
もちろん、最初から無理して行うのでは逆に体へ負担をかけてしまいます。まずは無理のない時間とペースを重視して、少しずつ時間を増やしたりペースを上げたりしていくと良いでしょう。
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